プロ野球選手だった下柳剛さんは34歳の時、日本ハムからトレードの通知を受ける。移った阪神では盛り返し、37歳で最多勝までものにする。そのグラブに、新規まき直しをもたらした4文字の縫い取りがあった。<前後際断>
▲沢庵禅師という、江戸時代の和尚さんの言葉である。過去をくよくよ引きずっても何も変わらず、未来を憂えても取り越し苦労になるのがおち。今の今、この時を生きよとの戒めらしい。

天風緑抜粋より

中田選手は日ハム時代、不動の主軸で「顔}だった。道産子の少年少女には裏切られ田思いも深いだろう。野球選手である前に、社会人であることだけは断ち切って欲しくはない。

◇今日の一言◇2022.01.15
多忙とは、
怠け者の遁辞(とんじ)である。
今日成すべきことを今日しなかったら
明日必ず多忙である。
徳富 蘇峰/評論家


「ドライブ・マイ・カー}の濱口竜介が「字幕は映画が誇るべき文化です」と語る拍手が湧いた。数日前、アカデミー賞・非英語作の監督たちが登壇した場だった。映画には、「劇中劇」もあって複数の言語と手話で演じられる。むしろ透明なぐらいがいいーという。それも盟約だろうと感じる。

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2022.11.11
米中間選挙最での共和党の思わぬ苦戦に激怒しているー。前大統領のトランプ氏について、CNNテレビが側近の話として報じた。最も、本人は決まり文句で否定しているフェイクニュースだ、と

世論調査では、赤をシンボルとする共和党が「赤い波」に乗って大勝する見込みだった。しかし、ナマイは予想より小さく、対象には程遠い。2年後の大統領選挙への土台づくりヲモクロンダトランプ氏にとっては思惑外れ、いらだつのも、無理はあるまい。番狂わせは6年前、トランプ氏が勝者として経験済み。「大方の予想に反して世界中が驚愕した」

 

新型コロナ対策でマスクの着用を余儀なくされ、「新しい生活様式」とまでもてはやされた焼く年間だった。
▲日本顔学会理事の原島博東京大名誉教授による造語「匿顔」の功罪を味わった3年でもあったろう。顔をさらしていると、隠しておきたい胸の内が読み取れかねない。そんな緊張を和らげてくれたのは、マスクの効用だった。
▲一方で、育ち盛りの子供に対する府の影響を心配する研究者の声も聞こえる。顔半分が見えない人間に取り巻かれているー。そんな風景を当たり前として、今の乳幼児は過ごしてきた
▲マスクの脱着を訪ねる街角インタビューに、いろんな顔が見えた。解放感、ためらい、苦笑い、泣き笑い・・・。そんな表情や言葉のあやが子供にとっては心を育む栄養となるだろう。晴れ晴れとした顔を早く取り戻したい。
▲畑正憲さんは1960年代の東京。学研の映画部門「生体室」と呼ばれる部屋があった。大学院で動物学を目指すが、生活苦のため研究を断念して映画の現場に飛び込んだ。アメーバの食事やアサリの産卵。ムツゴロウさんは新たな道へ進む。作家・科学ジャーナリストである。

2023.05.25
本当の意味をする英語「リアル」は日本でもよく使う。
さらに若者は「リアルガチ」とも。本気を出す「ガチ」を付けて、「本当の本当」と強調しているようだ。真偽不明の情報がネット上にあふれる時代だから、こんな表現が必要なのかも。
さまざまな面でAIは役に立つ。膨大なデータを学び進歩を続ける。だが悪用すれば本当らしいうそも流せる。規制を急がねばならない。リアルガチな話である。
天風緑より引用

2023.8.19 天風緑より
いまや広島、山口、島根の28市町村にまたがる。その最南端、山口県上関町で「ごみ」問題が降ってわいた。単なるゴミではない。原発から出る使用済み核燃料である。町内に原発の建設用地を持つ中国電力が、「原発ごみ」の中間処理施設を造りたいと言い出したのだ。事前調査の申し入れに応じる旨を町長がきのう示した。昨日過疎の波に溺れ、わらをもつかむ思いなのだろう。福島の原発事故前には、<地域共生型の原発立地>を県知事に陳情した土地である。さすがに気が引けたのか、今回は<持続可能なふるさと>を後世に効き継ぐためという。先立つものはカネだという本質は変わらない。二千数百人の町。「相見互い」「お互いさま」と思い合うコミニュティ感覚が何よりの宝物ではないのだろうか。分断の種を持ち続ける、原発の罪深さが思われる。いや、人ごとを決め込んでいる場合ではない。「ごみ」は人任せで、その電力に属するのは広域都市圏の私たちだ。

2023.8.20 天風緑より
昨年大ヒットした米映画「トップガン マーヴェリック」のセリフが耳に残る。教官として現場に復帰する伝説の戦闘機乗りの物語。軍高官いわく「君たちのようなパイロットは絶滅する」。無人機に予算を回す、とも。激化するウクライナとロシアの攻防は、双方の仕掛けとみられる無人機(ドローン)攻撃が連日のように伝えられる。こうした新手の攻撃でも人工知能(AI)は重宝されるらしい。火薬、核兵器に次いで「第3の軍事革命」とも呼ばれるAI。ウクライナ侵攻の悲惨さの裏で、次の対戦に向けた実験場や見本市と化すのは願い下げだ。飛行機に戦車、大量破壊兵器の引き金となる毒ガス。次々と実用化され、戦争の様相をがらり変えた。科学者の良心の絶滅を今こそ心配したくなる。

2023.8.26 天風緑より
まだまだ暑い日が続きます。瀬戸内沿岸に暮らしていると夕凪(ゆうなぎ)の熱をまとって家路に急ぐ。こんな日は、たちまちビールと冷ややっこに限る。
幸せはたった半丁冷奴。
尾道で代表作「東京物語」を撮影した小津安二郎監督に、こんな言葉がある。「私は豆腐屋のような映画監督だから、トンカツを作れと言われても無理で、せいぜいガンモドキぐらいだよ」。
大豆と水ににがりだけで作る、まっとうな豆腐屋さんへの敬意を込めたに違いない。そんな巨匠へのオマージュといえよう。
「高野豆腐店の春」が広島や山口で公開中だ。舞台は平成の終わりごろ、尾道の小さな豆腐店。頑固で職人気質の父と、離縁して戻り家業を手伝う気立てのいい娘の物語である。
尾道の風景や町の匂い、風や日差しまで全てが「映画を作る力になった」と脚本を手掛けた三原光尋監督は振り返る。互い思う親子のすれ違いや、戦争や被爆を背負う人生に訪れた新たな出会いが丁寧に描かれる。
パンフレットに添えられた言葉がいい。
<柔らかくて、甘くて、でもちょっと苦みもある。豆腐は、なんだか人生に似ている>。映画館出たら、食べたくなること請け合いである。

8月も、はや今日で終わり。コロナ禍が落着いて、今年は久しぶりに楽しい思い出を残す機械に9恵まれた。花火大会や盆踊り、海水浴・・・・・猛暑をついて、子や孫と万屈された方も多かろう。

物価高の影響か、阿波踊り会場には一人20万円のプレミアム積が登場したらしい。びわ湖花火大会には有料席に4メートルの壁が設けられ、無料客が一部締め出されたそうだ。だが、お金のお話はこの際、おいておこう。みんなが最高の思い出を残せるため、来年以降の宿題に。

2023.09.08
日中はまだ暑いが朝晩は過ごしやすくなった。エアコン室外機に変わり虫の音が響く。きょうは二十四節気の白露。夜中に待機が冷え、草木や花に夜露が宿りだす頃とされる通り、風もひんやりして心地よい。
風を使って発電する事業が汚職の舞台となった。秋本真利衆銀議員が受託収賄の容疑で逮捕された。風力発電会社の前社長から多額の資金提供や借り入れを受けた疑い。同社を利する国会質問をした見返りとみられる。
会社への「追い風」を前社長としては期待したのだろうか。秋田県沖など海上での風力発電事業に参入しようとしたものの受注に失敗。秋本容疑者はその後の国会質問で、入札の評価基準を見直すように繰り返し求めていた。
天高く馬肥ゆる秋ーを秋本容疑者は心待ちにしていたのだろう。競走馬の組合を前社長と設立し、実質管理していた。
前社長から組合に渡った3千万円が提供された。洋上風力発電は先進地の欧州をはじめ、中国など世界中で導入が進んでいる。
日本でも開発に帆を上げる時だ。

 

20323年10月18日

広島県竹原市出身の竹鶴政孝が興したニッカウイスキーは1980年、新しいCMソングを流す。我は行く」。道なき道でも恐れない。本場スコットランドに引けを取らぬ醸造を志し、心地を注いだ竹鶴の人生をほうふつとさせる歌だった。帰らぬ人となった谷村新司さん医「昴-昴-」である。その後国内はもとより中国や韓国でも歌い継がれた。アリスのグル-プ活動と並行し、ソロ歌手とあゆみがしていた」背を押される思いだったに違いない。「音楽でアジアに橋を掛けたい」そんな自らの思い疑問視されたものの、何時かは必ず次の世代につながる。

海や川の近くに住むミサゴは魚のハンターである。狙いを定め、水面を目がけて急降下し、鋭い爪でつかむ。最近は都市部でも増えたらしい。ただ、夫婦で子育てをする家族思いのミサゴなら、決して無理はするまい。
▲その英語名を冠する機体に、何があったのだろうか。米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが、鹿児島県屋久島沖に墜落した。8人乗せて岩国基地を飛び立った後、世界自然遺産の島の玄関、屋久島空港の目の前で。街中だったらと思うと、背筋が凍る
▲左エンジンから火が出た、逆さまに落ちた、と住民や漁業者の目撃談は生々しい。
<鉄のミサゴ>を止められるか、心もとない。

2024.8.23天風緑より抜粋
小中高生の夏休みも終盤に入った。学校生活の再開が近づくに当たって心配事がある。自ら命を絶つ子供が相次ぐ傾向があることだ。その数が突出する日から「9月1日問題」と呼ばれる

▲横浜市の小森美登里さん(67)は、26年前に娘の香澄さんを15歳で亡くした。
お話うかがうと、「つらい日常に戻る子どもの苦痛を想像してほしい。そして、見守って」と強く願っていた。
▲小森さんたちが活動するNPO法人の協力を得て、東京都人権プラザは毎年この時期にパネル展を開く。いじめなどでなくなった子どもの生前の様子を伝える。亡くした命を顧みて、救える命を救う取り組みだ。
▲プラザで出番を待つ31枚のpqネルに自ら命を絶った子どもの手紙を見つけた。宛先はペットのリスが死んだ友人。
▲パネルは子どものそばにいる人たちに「何ができるか」を考えさせる。小森さんによると重要なのは「自分ごとにする」こと。香澄さんが亡くなる数日前に残した言葉がある。

「優しい心が一番大切だよ」
しっかりと受け止めたい。

美味しい夏野菜